【4月5日 AFP】米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)などは3日、2016年米大統領選でのロシア介入疑惑に対する捜査結果をまとめたロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官の報告書について、ウィリアム・バー(William Barr)米司法長官が議会に提出した概要がドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に痛手となる可能性のある内容を正しく反映していないと、モラー氏のチーム内から不満が出ていると報じた。

 ワシントン・ポストによると、モラー氏のチームの複数の捜査官は「集めた司法妨害に関する証拠は驚くべきもので、重大なものだった」と関係者に不満を漏らしているという。

 また米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は匿名筋の話として、バー氏が捜査結果を的確に描写できておらず、バー氏の要約よりも捜査結果はトランプ大統領にとって不都合なものだったと伝えた。

 米司法省は4日、モラー氏の報告書の「全ページ」が機密情報を含んでいる可能性があるため、全体を一度適切に編集した形で公表したと主張するなど、バー氏の概要について擁護を余儀なくされた。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)で、モラー氏の報告書に関してニューヨーク・タイムズは「正当な情報源を持っていなかった」と指摘。また「ニューヨーク・タイムズはフェイクニュース紙で、私に関する不正確でとてもひどい報道によりすでに謝罪に追い込まれている」などと投稿し、怒りをあらわにした。

 バー氏によると、モラー氏はトランプ陣営の中に「ロシアと共謀、または連携」した者はいないと認定し、トランプ氏の司法妨害疑惑についても確定的な結論に至らなかったという。

 トランプ氏はツイートや記者団へのコメント、選挙集会において、自身が正しいと証明されたとたびたび主張。また、モラー氏の捜査を支持した司法当局者や民主党議員たちについて国家への反逆だと非難している。(c)AFP/Sebastian Smith