【4月5日 AFP】北アフリカのリビアで4日、元国軍将校の実力者ハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)氏が、自らの率いる民兵組織「リビア国民軍(LNA)」に首都トリポリへの「進軍」を命じた。緊張が高まる中、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は大規模な衝突を避けるよう警告した。

 トリポリには国際的な承認を受けている同国統一政府の拠点がある。

 ハフタル氏はLNAのウェブサイト上で公表された音声メッセージで「この時が来た」と表明。LNAは3日、同国西部の「テロリストと傭兵(ようへい)」の一掃を目指し、攻撃態勢を整えていると述べていた。

 北大西洋条約機構(NATO)の支援を受けた反体制派が2011年、長期にわたったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)独裁政権を打倒、カダフィ大佐を殺害して以降、十数の武装勢力がリビア全土の支配のため争ってきた。その中でハフタル氏率いるLNAは主要勢力として台頭しトリポリの統一政府に反対、同国東部の政府を支持している。

 統一政府のファイズ・シラージュ(Fayez al-Sarraj)暫定首相はハフタル氏の勢力「拡大」を非難。統一政府軍に「すべての脅威に立ち向かう」よう準備を命じたと述べた。

 緊張が高まる中、トリポリを訪れていた国連のグテレス事務総長はツイッター(Twitter)に、「リビアの武力行動と衝突の可能性について、非常に懸念している」と投稿。リビア情勢に「軍事的な解決策はない」と明言した。リビアでは延期されていた議会選と大統領選の行程表を打ち出すための会合が今月、開かれることになっている。(c)AFP