【4月2日 AFP】ポーランド北部グダニスク(Gdansk)で3月31日、神父らが英作家J・K・ローリング(J.K. Rowling)氏の人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの書籍などを「神聖なものを汚す」として焼却し、物議を醸している。

 神父らはフェイスブック(Facebook)に書籍などを焼く写真を掲載。旧約聖書の「申命記」について触れ、「われわれは神の言葉に従う」と述べた。申命記には、神の敵を滅ぼさなければならず、偶像を焼き払えと信徒に強く勧める一節がある。

 カトリック系団体「天国からのSMS(SMS from Heaven)」のフェイスブックページに掲載された写真には、神父らが祈りの言葉を唱え、教会の前にある野外のかまどで本などを燃やす様子が写っている。吸血鬼が登場する人気ロマンス小説「トワイライト(Twilight)」シリーズや、「ハローキティ(Hello Kitty)」が描かれた傘、ヒンズー教の小立像なども焼却された。これらの写真がネット上で拡散し、物議を醸した。

 焼却が行われたグダニスク教区のヤン・クハルスキ(Jan Kucharski)神父は1日、ニュースサイト「natemat.pl」に対し、焼却は春の清掃活動の一環として行ったもので、教区の神父らが秩序を正すために持ち寄った「オカルトや魔術に関連するもの」を処分したと説明。焼却をナチス・ドイツ(Nazi)のような全体主義政権による文化抑圧に例えた批判を切り捨てた。グダニスク教区の公式ウェブサイトによると、クハルスキ神父は悪魔払いの祈祷(きとう)師(エクソシスト)の肩書を持つ。

「天国からのSMS」が拠点を置くコシャリンコウォブジェク(Koszalin-Kolobrzeg)教区で広報を担当するボイチェフ・パルフィアノビッチ(Wojciech Parfianowicz)神父はポーランド通信(PAP)に対し、「オカルトや魔術が精神にもたらす真の危険から注意がそらされる恐れがある」としてグダニスク教区の書籍焼却は「不適切」だと述べた。(c)AFP/Mary SIBIERSKI