【3月30日 AFP】国際ボクシング協会(AIBA)は29日、モロッコ出身の医師で40歳のモハメド・ムスタサン(Mohamed Moustahsane)氏を会長代行に選出した。ウズベキスタンの実業家で物議を醸していた前会長のガフル・ラヒモフ(Gafur Rakhimov)氏は、国際オリンピック委員会(IOC)からの圧力の中、前週辞任を表明していた。

 同日行われたAIBA理事会の信任投票では、棄権した2人を除いて賛成23人反対なしで、リングサイドドクターを務めているムスタサン氏を会長代行に任命した。同氏はここ18か月間で4人目のAIBA責任者となる。

 2016年リオデジャネイロ五輪でボクシングの八百長疑惑が浮上した後、IOCは東京五輪に向けて同競技の準備を凍結し、現在はAIBAが十分な組織改革を行っていることを示す確証を模索している。IOCはまた、AIBAのカバナンスや反ドーピングプログラムの問題に関する調査も進めている。

 今週AIBAが1600万ドル(約17億7000万円)の負債を抱えていることを認めたことを受け、ロシア・ボクシング連盟(RBF)の事務局長で会長選にも名乗りを上げていたウマル・クレムレフ(Umar Kremlev)氏は先日、AIBAが東京五輪で競技団体として生き残ることが承認されるのであれば、私財を投じて負債を肩代わりすることを申し出た。

 IOCは28日、東京五輪におけるボクシングの処遇に関して5月22日に決定すると発表。AIBAへの制裁が継続されることになった場合は、東京五輪での実施に向けてIOCが介入する意向を示した。(c)AFP