【3月29日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算4度の総合優勝を果たしているセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は28日、所属チームのフェラーリ(Ferrari)が同胞のミック・シューマッハ(Mick Schumacher)を次週のテストに起用する決定を歓迎した。

 今週末に行われる今季第2戦のバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2019)を控えた記者会見で、ベッテルは子ども時代の憧れの存在であり、通算7度の年間優勝のうちフェラーリで5度のタイトル獲得を成し遂げたミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の息子について、チャンスが与えられるにふさわしいと確信していると語った。

 現在20歳のミックは、来月2日か3日にフェラーリに加えてアルファロメオ(Alfa Romeo Racing)のマシンも駆る予定となっているほか、今週末にはF2デビューも果たすことになっている。

 ベッテルは子どもの頃から知っているミックについて、「その名前やミハエル氏の息子であることから、ある程度の期待が寄せられていることは間違いない。だけど、F1にたどり着くためには、スピードがあることを証明しなくてはならない」「これまでのところ、彼は本当によくやっているし、チャンスが与えられるにふさわしい」という認識を示した。

「今は彼に仕事をする時間を与えるべきだ。簡単なことではないだろうが、逆に彼はこうした状況に慣れているから、様子を見ていこう。今回のテストが大いに盛り上がっていることは確かだけどね」

 シューマッハ・ジュニアに対しては、もう一人のF1王者の息子から同情の声が上がっていた。世界ラリー選手権(WRC)で2度の総合優勝を果たしているカルロス・サインツ(Carlos Sainz)を父に持つマクラーレン(McLaren)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)は、「ミックには大いに同情する」「『誰かの息子』であることの気持ちは分かる…。自分自身で名を成したいんだ」と話した。

 サインツ・ジュニアの同僚でルーキーのランド・ノリス(Lando Norris)は、ミックがチャンスに値すると感じていることを明かし、「すごいことだよ。特にこれから父親の足跡をたどっていく上で、彼はそれにふさわしい」「優秀なドライバーだし、人柄も本当に優れている」と語った。(c)AFP