【3月26日 AFP】米政府による世界規模の監視活動を暴露したエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者を中国・香港でかくまっていた女性が、カナダへの亡命申請を承認された。難民の人権擁護に取り組む非営利団体(NPO)「フォー・ザ・レフュジー(For the Refugees)」が25日明らかにした。

 亡命を認められたのはバネッサ・ローデル(Vanessa Rodel)さん。同団体は、ローデルさんは25日夜、7歳の娘と共に香港から空路トロント入りする予定だと明らかにした。親子は26日にモントリオールに移動し、民間支援難民として定住することになっている。

 ローデルさんはスノーデン容疑者をかくまったグループの一員で、フィリピン国籍。2013年に米当局から逃れて香港にいた同容疑者を、自身のアパートに宿泊させた。

 スノーデン容疑者は米中央情報局(CIA)や米国家安全保障局(NSA)での勤務歴の持ち主。NSAに勤務していた頃に高度機密文書を持ち出し、同局がオーストラリア、英国、カナダの協力機関と連携し、世界規模の監視活動を行っていたことを暴露した。

 同容疑者は2013年6月、スパイと国家機密窃取の罪により米国で起訴されており、現在はロシアに住んでいる。

 フォー・ザ・レフュジーによると、カナダはローデルさん親子の亡命を1月に承認したが、この事実は保安上の理由で秘密にされていた。

 スノーデン容疑者はツイッター(Twitter)へのフランス語の投稿で、「亡命を実現させてくれたカナダと世界中の皆さん、ありがとう。何年もたってようやく、私を助けてくれた(人々のうち)最初の一家族が自由の身となり、未来を手にした」と表明。「だが、まだ仕事は終わっていない。結束と思いやりがあれば、カナダは彼ら全員を救うことができる」とした。

 カナダの日刊紙ナショナル・ポスト(National Post)によると、スノーデン容疑者の協力者のうち、ほかに5人が亡命を申請しており、香港にとどまって審査結果を待っている。(c)AFP