【3月23日 AFP】カナダ西部で1991年に発見され、10年以上かけて骨格が復元された大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)「スコッティ(Scotty)」のサイズが世界最大であることが分かった。古生物学者らが22日に発表した。

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 スコッティの愛称は、発見者らがその日の夜にスコッチウイスキーで祝杯を挙げたことに由来する。カナダ・アルバータ大学(University of Alberta)の調査チームによれば、スコッティは全長13メートル、体重はおそらく8800キロ以上で、ティラノサウルスの中でも最大のサイズだったとみられる。

 同大学生物学部で博士課程を終えた研究員で、論文主筆者のスコット・パーソンズ(Scott Persons)氏は、「ティラノサウルスの中のティラノサウルス」と評し、「ティラノサウルスによっても大きさはさまざまで、ひょろっとしたのもいれば、がっしりしたのもいた。スコッティは、そのがっしりタイプの典型的な例だ」と話している。

 スコッティの骨格は1991年に発見され、古生物学者らが10年以上かけて、骨格を覆う硬質の砂岩の除去作業を行った。

 しかし、研究してみると、スコッティには大きさ以外にも特異な点があることが分かった。

「スコッティは、これまでに知られているティラノサウルスの中で最も長寿だった」とパーソンズ氏。30年以上生きていたとみられるという。

 パーソンズ氏は「ティラノサウルスの標準から言えば、スコッティは異常に長生きした。しかも狂暴だった」と主張。「骨格のあちこちに病変がある。傷ついた骨は、大きな傷を複数負っていたことを示している」と述べている。

 スコッティの骨格標本は、今年5月にカナダの王立サスカチュワン博物館(Royal Saskatchewan Museum)で開幕する展覧会で展示される。(c)AFP