【3月22日 AFP】ニュージーランド南島クライストチャーチ(Christchurch)のモスク(イスラム礼拝所)2か所で発生し50人が死亡した銃乱射事件から1週間となった22日、事件で最初に襲撃されたヌール・モスク(Al Noor Mosque)近くの公園で追悼集会が行われ、ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相や生存者など数千人が出席した。

 集会はヌール・モスクから道を隔てたハグレー公園(Hagley Park)で行われた。通常の金曜礼拝の開始時刻である午後1時30分(日本時間同日午前9時30分)に、白い帽子をかぶった祈禱(きとう)時刻の告知係が「アッラーフ・アクバル(神は偉大なり)」と呼び掛けると、参加者らはそれに聞き入った。

 その後、出席者らは会場で2分間の黙とうをささげた。集会と黙とうの模様はテレビ、ラジオ、ローカルメディアのウェブサイトで伝えられた。追悼集会は首都ウェリントンやオークランド(Auckland)などその他の都市でも行われ、国中が2分間の静寂に包まれた。 ニュージーランド各地で、多くの女性がイスラム教徒との連帯を示すため、頭にスカーフをかぶった。

 ヌール・モスクのイマーム(導師)は、「見渡せば、ニュージーランド国民と世界の人々の目の中に、愛と慈悲を見て取れる」「このテロリストは邪悪なイデオロギーでニュージーランドを分断しようと試みたが、われわれはニュージーランドが壊すことのできない国家だということを世界に示すことができた」と述べた。

 金曜礼拝の後、イスラム教徒でない人々がモスクの前に花を供えたり、イスラム教徒たちと自撮りをしたりすると、モスクの周辺に漂っていた暗い雰囲気は著しく明るくなった。

 アーダーン首相は21日、アサルトライフルと半自動小銃の販売を即刻禁止すると発表した。警察は22日朝までに、現在出回っている銃を回収するための買い上げ措置について1000人以上から問い合わせを受けたという。

 クライストチャーチでは同日埋葬が再開され、3歳から77歳の犠牲者を含む26人が埋葬される。(c)AFP/Jerome TAYLOR