【3月16日 AFP】米歌手・故マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんのファンクラブ三つが、ジャクソンさんから性的虐待を受けていたとドキュメンタリー映画『Leaving Neverland(原題)』で訴えた男性らに対し、「ジャクソンさんの名声を汚した」としてフランスで訴訟を起こしていることが分かった。ファンクラブの担当弁護士が15日、AFPに明らかにした。

【写真】マイケル・ジャクソンさんのビフォーアフター

「キング・オブ・ポップ(King of Pop)」と呼ばれ、2009年に死去したジャクソンさんの「公式ファンクラブ」だと主張する「マイケル・ジャクソン・コミュニティー(Michael Jackson Community)」と、「MJストリート(MJ Street)」、「オン・ザ・ライン(On The Line)」の3グループは、同ドキュメンタリーで子どもの頃にジャクソンさんから性的虐待を受けたと告白したウェイド・ロブソン(Wade Robson)さんとジェームズ・セーフチャック(James Safechuck)さんに対し、ジャクソンさんに「リンチ(私刑)を加えている」と非難している。

 裁判は、フランス北部オルレアン(Orleans)の裁判所で今年7月に行われる予定だが、それに先立ち、ジャクソンさんの子どもたちもロブソンさんとセーフチャックさんに法的措置を取ることを検討していると報じられていた。

 担当弁護士のエマニュエル・リュド(Emmanuel Ludot)氏は、訴えを起こしたグループはジャクソンさんを長年苦しめた「小児性愛者という告発を覆し」たがっていると主張。『Leaving Neverland』でロブソンさんとセーフチャックさんによる「甚だしい言い掛かりがもたらした侮辱」によって、ジャクソンさんの名声が汚されたと述べている。

 同氏はこれ以前にも、ファンがジャクソンさんの元主治医コンラッド・マーレイ(Conrad Murray)氏を相手取り、ジャクソンさんに薬剤を過剰摂取させて死に至らしめ、その結果、自分たちは苦痛を受けたとして起こした裁判で勝ち、マーレイ氏から1ユーロ(約126円)の名目的損害賠償金(権利を侵害した事実は認められるが実損がない場合の少額の賠償金)を得ている。

『Leaving Neverland』は、米国では今月初めにケーブルテレビ局HBOで初めて放送され、その後、放送された英国では高視聴率を記録した。(c)AFP/Fiachra GIBBONS