【3月12日 AFP】(更新)フランスの検察当局は、仏ルノー(Renault)と日産自動車(Nissan Motor)の前会長、カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告がベルサイユ宮殿(Palace of Versailles)で開いた結婚披露宴についての捜査を開始した。司法関係筋が11日、AFPに明らかにした。

 ルノーは先月、ゴーン被告が2016年10月に開いた豪華な披露宴について、披露宴開催の数か月前に締結されたスポンサー契約に基づき、ベルサイユ宮殿が通常5万ユーロ(約600万円)のレンタル料を免除していたと発表していた。

 宮殿利用料の免除は現物支給に当たり、会社資金の流用となる可能性があるほか、フランス当局に申告されていない場合には脱税に当たる可能性もある。

 ゴーン被告は昨年11月、ルノーと連合を組む日産で数十億円の役員報酬を過少記載した容疑で電撃逮捕された。これを受けルノーは自社でのゴーン被告の過去に対する調査を開始。ゴーン被告がその後、日本で会社法違反(特別背任)など3件の罪で起訴されたことにより、ルノーと日産の両社での被告の会社経営と私生活に対しては再び厳しい目が向けられている。

 ベルサイユ宮殿での披露宴について、ゴーン被告のフランスの弁護士、ジャンイブ・ルボルニュ(Jean-Yves Le Borgne)氏はAFPの取材に、被告は「請求書を受け取らなかったため支払い義務があることを知らなかった」として、費用を支払う用意があると説明している。(c)AFP