【3月11日 CNS】中国・四川省(Sichuan)雅安市(Ya’an)漢源県の古路村(Gulu)は大渡河(Dadu River)大峡谷の絶壁の上にある。外界に通じる道は、馬やラバが通れるだけの絶壁を削って作った細い道だけで、400年の長い間「絶壁の上の村」と呼ばれてきた。

 記者が古路村を訪ねると、「世間と隔絶されていた村」に大きな変化が起こっていた。大渡河峡谷をまたぐロープウエーが建設され、村民は容易に村を出ることができるようになったのだ。

 以前は、村を出入りするためには藤のつるを使って山を下りたり登ったりしなければならなかった。村民らは2004年、石の絶壁に穴を開け、長さ5キロ、高度差600メートルの細い道を作った。2018年9月には、村の中に全長1.85キロの道が開通し、翌10月には貨物用と乗用のロープウエーが開通した。村人の移動と物資の輸送が格段に改善されたばかりでなく、多くの観光客が来るようになったのだ。

 ロープウエーに乗ると3分で両岸の景色を一望しながら大渡河大峡谷を渡れる。北京から来た観光客の高月(Gao Yue)さんは「地方だから心の準備はしてきたけど、ここの民宿にはテレビも冷蔵庫もWiFiも何でもある。景色も環境もいいし、食べるものもおいしい」という。

 この村を訪れた観光客は、今年の春節期間だけで300人を超えた。申紹華(Shen Shaohua)さんは、古路村で最も早く民宿を始めた一人だ。以前は農産品を売って得られるわずかな収入が1年で2000元(約3万3000円)ほどだったが、民宿を始めてからは、年収は10万元(約165万円)を超えるようになったという。

 ロープウエーは1時間当たり500人から600人を運べるという。貨物用ロープウエーは村民が建設専用に使用する。料金は、片道50元(約835円)、往復80元(約1340円)で、地元住民は無料だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News