【3月6日 AFP】(更新)国連(UN)は6日、北朝鮮の2018年の食糧生産量について、自然災害や耕作地不足、非効率的な生産方式などが相まって、ここ十数年で最低を記録したと発表した。

【写真特集】視察する北朝鮮の指導者、金正恩氏

 国連の評価報告書「Needs and Priorities」によると、昨年の北朝鮮の食糧生産量は前年比50万トン減の495万トン。

 北朝鮮担当の国連常駐調整官であるタパン・ミシュラ(Tapan Mishra)氏は「ここ十数年で最低の生産量」と指摘し、生産量減少が「深刻な食糧不足をもたらす」との見解を示した。

 また食糧減少の結果、栄養失調や病気により北朝鮮国内で人道支援を必要とする人の数は前年比60万人増の1090万人になるとみられ、これは人口の約43%に相当するという。

 北朝鮮は昨年、台風19号(アジア名:ソーリック、Soulik)がもたらした豪雨や洪水で被害を受けたほか、7月から8月にかけて熱波にも見舞われ、生産量はコメ・小麦が12~14%減、大豆が39%減となり、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長が食糧増産のため栽培を奨励しているジャガイモも34%減少した。

 北朝鮮は先月、国連に対し、2019年の食糧生産量が140万トン不足する見通しだと報告している。(c)AFP