【3月7日 Xinhua News】中国の考古学者の長年の努力により、河南省洛陽市の欒川(Luanchuan)県龍泉洞(Longquandong)遺跡で、灰じん1カ所と炉跡4カ所が見つかった。古人類の洞穴遺跡で名高い欒川旧石器遺跡群で人類による火の使用の痕跡が初めて確認された。

 同遺跡群発掘プロジェクトの主要発掘責任者、顧雪軍(Gu Xuejun)氏は「ほとんどの遺跡では、火を使った痕跡と言っても灰じんが見つかるくらいだが、龍泉洞のように構造がはっきり分かる炉跡は同時期の遺跡の中でもかなり珍しい」と述べた。

 「約3万~4万年前の人類はすでに火を使う技術を持っており、石を使い火力や燃焼範囲をコントロールしていた」。顧氏によると、研究者らは古代人類の生活方式を復元するために火の使用跡の残留物の分析を進めているという。

 洛陽市文物考古研究院の史家珍(Shi Jiazhen)院長は「3万~4万年前は現代人類の形成のカギを握る大切な時期であり、さらに欒川は中国の自然地理で南北境界線上に位置する。龍泉洞での発掘は、地域的な初期人類の進化や中華文明の起源と成り立ち、古代環境の変遷などの研究課題で非常に重要な意義を持つ」と述べた。

 洛陽市文物考古研究院は2014年以降、欒川県文物管理所と共同で龍泉洞遺跡の発掘を続けている。約20平方メートルの発掘現場では地面をふるいにかけるような念入りな調査が行われ、石核石器や剥片石器、石塊、道具などの石器や動物の化石、骨角器など2万3000点余りの標本が出土した。

 欒川旧石器遺跡群では旧人と原人の化石が共存しており中国ではあまり類を見ない。龍泉洞遺跡は2018年の「中国十大考古学新発見」に初期選考にも推薦されている。史氏は、さらなる遺跡の保護と発掘成果の活用のため、欒川旧石器遺跡で科学の研究や普及、文化クリエーティブを一体とした総合考古学研究施設を建設するとしており、すでに建設用地の選定と科学研究、プロジェクト申請などを済ませているという。(c)Xinhua News/AFPBB News