【3月1日 AFP】米国で昨年、交通事故に巻き込まれて死亡した歩行者数が6227人に上り、1990年以降最多を更新した。2月28日に発表された推計で明らかになった。スポーツ用多目的車(SUV)やスマートフォンの利用増加が主な原因とみられる。

 各地の道路安全当局を統括する州知事幹線道路安全協会(GHSA)が発表した暫定データによると、昨年米国で発生した交通事故による歩行者死亡数は計6227人だった。

 6482人が死亡した1990年以降で最多となり、前年比では4.1%増で、2009年と比較すると51%もの増加となった。

 交通事故による歩行者死亡数を人口100万人当たりでみると、米国では19人だったのに対し、フランスでは7.2人(2017年)、カナダで9.5人(16年)、英国では7.1人(17年)と、米国の死者数が目立って多いことが分かる。

 GHSAは、原因は一つにとどまらないとしながらも、SUV関連の事故で死亡した歩行者数が、2017年は2013年と比べて5割増となったことに着目。またスマートフォンの利用拡大も「道路のあらゆる利用者の注意をそらす重大な要因になっている可能性がある」と指摘している。

 さらに、燃料価格の下落や全般的な好景気が走行距離の増加につながり、交通事故による歩行者死亡率の上昇を招いているとも考えられる。(c)AFP