【3月1日 東方新報】中国の女性客室乗務員が昨年、利用した配車アプリ「滴滴出行(Didi Chuxing)」の運転手に殺害された事件で、中国・河南省(Henan)鄭州市(Zhengzhou)航空港経済総合実験区人民法院は2月27日、運転手で犯行後に自殺した劉容疑者の両親に対し、息子の遺産範囲内で殺害された李さんの遺族へ慰謝料、葬祭費など約62万元(約1000万円)を賠償するよう命じた。

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 遺族はまた、「滴滴」のプラットフォームを運営する北京運達無限科技に対しさらに10万元(約166万円)の慰謝料を求めたが、滴滴運営側はすでに遺族と進めていた損害補償協議の中に、「精神的な損害を与えた補償」はすでに含まれていると主張し、人民法院も支持しなかった。

 劉容疑者の父親は判決の控訴を求めているが、遺族側の代理人は「控訴するかどうかはわからない」とコメントしている。

 李さんは18年5月5日深夜、鄭州駅の移動の際に劉容疑者の運転するタクシーに乗車した後、劉容疑者に殺害された。その後、劉容疑者も水死体で見つかり自殺したとみられる。この事件によって滴滴は安全面の問題点を疑問視され、社会的に大きく注目を集めていた。(c)東方新報/AFPBB News