【3月1日 AFP】イスラエル検察は2月28日、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相を収賄、詐欺および背任の罪で起訴する方針を表明した。イスラエルでは4月に総選挙を控えており、ネタニヤフ氏は汚職の疑惑について、自身を首相の座から引きずり降ろそうとする「魔女狩り」と批判した。

 アビハイ・マンデルブリト(Avichai Mandelblit)検事総長はネタニヤフ氏には訴状提出前の審理で、自身を弁護する機会が与えられると述べた。

 イスラエルでは4月9日に総選挙が予定されており、対抗するベニー・ガンツ(Benny Gantz)元参謀総長率いる中道政党連合との選挙戦でネタニヤフ氏は苦戦を強いられるとみられている。

 ネタニヤフ氏はすべての容疑を否定しており、検察の発表から数時間後のテレビ演説で汚職の疑惑を自身の転覆を狙う「魔女狩り」と呼んだ。

 ネタニヤフ氏が率いる右派政党リクード(Likud)は疑惑を「政治的迫害」と主張。「総選挙を1か月後に控える中で検事総長が一方的に(起訴の方針を)表明し、首相の不当な疑惑について本人に反論の機会を設けないことは、あからさまな選挙への介入で前代未聞だ」と指摘した。

 計13年余り首相を務めるネタニヤフ氏は起訴されても辞任は求められないが、上訴審を含めすべての公判で有罪となった場合辞任する必要がある。(c)AFP/Mike Smith