【2月22日 AFP】全日空(ANA)は22日、今週国内線で乗務予定だった副操縦士からアルコールが検出され、旅客便の出発に遅れが出たと発表した。航空業界では飲酒問題に絡んだ不祥事が相次いでおり、政府が先月、操縦士の飲酒を取り締まる規制を新たに導入したばかりだった。

 19日、神戸発羽田行きの便に乗務予定だったANAの副操縦士から、乗務前の検査でアルコールが検出された。同副操縦士は、乗務の約6時間前にホテルで缶ビール1本と缶酎ハイ1本の半分を飲んだことを認めた。

 代わりの操縦士を探す間、乗客322人を乗せた同便の出発は1時間以上遅れた。

 ANAは正副操縦士に対し、乗務前24時間以内の飲酒を禁止しており、本件には「厳正に対処する」と表明した。

 昨年には英国で、乗務直前の検査で血液から基準値の約10倍のアルコールが検出されたとして、日本航空(JAL)副操縦士が逮捕され、禁錮10月の実刑判決を受けた。

 報道によると、この副操縦士は乗務前夜に6時間にわたってワイン2本と1.8リットル以上のビールを飲んでいたという。

 先月の規制強化以前、日本には操縦士らの飲酒に関する法的な定めはなく、アルコール検査も義務付けられていなかった。(c)AFP