【2月22日 AFP】米バイオテクノロジー企業のサーモフィッシャーサイエンティフィック(Thermo Fisher Scientific)は21日、中国の少数民族ウイグル人(Uighur)のDNAデータベース構築に使われるとされる機器を中国に販売するのは中止すると発表した。

 2016年以降、中国政府が新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で血液採取を行っているという報告がたびたび寄せられている。

 中国で民族間の緊張関係が激化したことを受け、ウイグル人の大多数が居住する同区内には近年、警察による厳しい監視体制が敷かれている。

 国連(UN)の専門家パネルは、ウイグル人やその他のチュルク語系少数民族100万人近くが再教育施設に強制収容されているという情報もあるとしている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、中国当局が血液検査を無料健診の一環と称していると報道。一方中国国営新華社(Xinhua)は、血液検査受診者は約3600万人に上っており、ウイグル人だけが対象ではないとしている。

 国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は昨年春、中国がDNA配列解読技術の向上につながる機器を発注したと指摘。後に米科学誌「ネイチャー(Nature)」が同団体の主張を裏付け、機器の提供元はサーモフィッシャーサイエンティフィックだと明かしていた。(c)AFP