【2月21日 AFP】韓国国内で物議を醸したいわゆる「ナッツ事件」の当事者、大韓航空(Korean Air)の趙顕娥(チョ・ヒョナ、Cho Hyun-Ah)元副社長の夫が、自身と子どもが趙氏から虐待を受けたとして告訴した。警察が21日、明らかにした。

 趙氏は2014年、大韓航空機内で乗務員のナッツの出し方に激怒して乗務員2人を土下座させた上、このうち一人を降機させるため、滑走路に移動中だった同機をターミナルに引き返させた。事件は当時世界中で大々的に報じられ、「ナッツ姫」とも呼ばれた趙氏は5か月にわたって勾留された。

 整形外科医の夫は、趙氏が釈放された2015年以降、自身と現在5歳の双子の息子に対し暴行や暴言を繰り返してきたと主張し、20日までに趙氏を告訴。これに対し夫と離婚訴訟中の趙氏は、そのような事実はないと否定している。

 夫は、趙氏からの暴力によるものとする首のあざや足指のけがの写真を地元テレビ局に公開。暴行時の写真や動画は、警察にも提出しているという。

 夫はさらに、趙氏が子どもたちに対し「食べるのが遅い」と言ってスプーンや箸を投げつける、「寝つかない」という理由で暴言を吐くなどと証言し、子ども2人の親権を求めている。

 これを受けて、趙氏の弁護士事務所の広報担当者が反論。夫はアルコール依存症で結婚後3回入院しており、記憶障害があると訴えるとともに、「夫を名誉毀損(きそん)で告訴することも真剣に検討中」だとしている。(c)AFP