【2月26日 東方新報】ネット通販、金融、物流などのビジネスを展開する京東(JD.com)は、「成績最下位カット制」で高級管理職を10%削減する予定であることを認めた。同様の制度は、阿里巴巴集団(アリババ、Alibaba Group Holding)や華為技術(ファーウェイ、Huawei)を含む多くの会社で実施されてきている。

 京東集団は2月中旬に開いた新年会で、同社は今年、副総裁級以上の高級管理職を「成績最下位者カット制」により10%削減すると発表した。社員18万人を擁する同社には、この職級の管理職が数十人から百人ほどいると推測される。

 京東は毎年、定期的に全社員に対し成績評価と人材配置の見直しを行い、優秀な者にはインセンティブ報酬やさらなる昇格の機会を与えてきた。一方、成績が要求を満たしていない者は配置転換や合理化の対象になった。

 京東の傘下にはオンライン通販の京東商城や、人口知能(AI)分野を手がける京東知能など多くの事業部があり、事業部ごとに1人の副総裁が運営責任を負っている。

 アリババは先ごろ、20%優秀、70%合格、10%不合格という「271方式」で社員を3分類し、最後の10%はカット制度の対象とした。また滴滴出行(Didi Chuxing)は2000人超の人員整理を発表したが、これも最下位者のカット制度をとっている。ただ今回の京東の人員削減は、これらとは異なり、高級管理職に狙いを絞った削減である。

 弁護士の見解では、「もし人員整理目的なら、労働法違反で、労働者は同法の87条に基づき賠償金の請求が可能になる。しかし、降級・降格、免職、ポジション変更、訓練などの形式で、労働契約を解除しない場合は違法には当たらない」という。

 京東の管理職の年俸は「M1」から「M6」までの等級があり、M1が主管級で年俸約30万元(約496万円)、M2がマネージャー級で約40万元(約660万)、M3がシニアマネージャー級で50万元(約826万円)、M4が副総監以上で60万元(約990万円)程度だと言われる。

 M5以上が副総裁クラスで、今回の「最下位者カット」の対象になるとすれば、このクラスは公開求人されないため年俸も非公開だが、少なくとも百万元(約1650万円)を超すと推測される。(c)東方新報/AFPBB News