【2月21日 AFP】サッカーベルギー1部リーグを窮地に陥れている大規模な詐欺と八百長スキャンダルをめぐり今週行われた一斉捜査で、対象となった2チームのうちの一つが、現在同リーグ首位に立つKRCヘンク(KRC Genk)だったことが分かった。

 裁判所広報は19日と20日に計16人が事情聴取を受けたとしており、19日朝には3か所で捜索が行われたという。

 裁判所は「事情聴取されたのはスポルティング・ロケレン(Sporting Lokeren)やKRCヘンクの関係者、または『D.V.』の取り巻きだ」としている。『D.V.』とは昨年10月に発覚したスキャンダルの容疑者の一人、代理人のデヤン・ベリコビッチ(Dejan Veljkovic)氏のこと。

 選手の移籍に絡む不正を主導したとされるベリコビッチ氏は、数週間拘束された後、捜査への協力を条件に昨年11月に身柄を釈放された。今週の捜査はベリコビッチ氏が提供した証拠を裏付けるためだとされ、事情を聴かれた一人が『P.M.』という人物だという。

 ロケレンの元監督ピーター・メイズ(Peter Maes)氏だとみられる『P.M.』は、19日に釈放されたというが、この2日間で事情を聴かれたほかの参考人とは異なり、捜査判事が立ち会ったという。

 当局は給与の支払いや代理人の仲介料に関する不正と、2018年3月に行われた2試合での八百長に疑いの目を向けている。八百長はKVメヘレン(KV Mechelen)を降格から救うことを目的としていたが失敗に終わった。

 一連のスキャンダルではマネーロンダリング(資金洗浄)、汚職、犯罪組織の関与が疑われており、複数のクラブの上層部と選手、審判二人、そしてクラブ・ブルージュ(Club Brugge)の監督が関わったとされる。(c)AFP