【2月21日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、米国からシリアに渡ってイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の宣伝活動に携わった女性について、「米国市民でない」として帰国を認めないようマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官に指示したとツイッター(Twitter)で明らかにした。大統領が移民問題で個人の事案に言及するのは異例だ。

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 女性は米国で生まれ、南部アラバマ州で育ったホダ・ムサーナ(Hoda Muthana)さん(24)。ISの支持者としてシリアに渡航したが、現在は米国への帰国を望んでいる。

 ポンペオ氏はトランプ氏のツイートに先立ち、ムサーナさんは米国市民でないとして、帰国は認められないと発表していた。ただ、米国市民でないと見なす法的根拠などについては詳しく説明していない。

 ムサーナさんの父親はイエメン出身の外交官だったが、米国では外交官の子どもには自動的には米国市民は与えられない仕組みになっている。米政府はこの点でムサーナさんのケースを問題視した可能性がある。

 ムサーナさんの弁護士は、ムサーナさんが1994年にニュージャージー州で生まれたことを示す出生証明書を提示し、父親はムサーナさんが生まれる何か月も前に外交官を辞めていたと説明。「彼女は米国市民であり、有効なパスポート(旅券)も持っていた」としている。

 トランプ氏は欧州諸国に対し、自国出身のIS戦闘員を引き取るよう圧力を掛けている。(c)AFP