【2月21日 AFP】19日に85歳で死去したファッション界の「皇帝」ことデザイナーの故カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)氏について、同氏のブランド「カール・ラガーフェルド」は20日、遺体は葬儀なしの火葬に付され、遺灰は母親と恋人の遺灰と共に散骨されることを明らかにした。

「カール・ラガーフェルド」の広報担当者はAFPの取材に「彼の遺志は尊重される」と語った。

 鋭いウィットで知られるラガーフェルド氏は生前、土葬されるくらいなら「死んだほうがまし」と語っていたほか、2017年にフランスの伝説的ロック歌手ジョニー・アリディ(Johnny Hallyday)氏が死去した際に行われたような盛大な葬儀も望んでいなかった。

 ラガーフェルド氏は生前のインタビューで、「私は火葬してもらうこと、そして遺灰は母のものと一緒にまいてほしい…それと(飼い猫の)シュペット(Choupette)が先に死んだら、その遺灰とも一緒に」と語っていた。

 ラガーフェルド氏はまたそれ以前にも、自分の遺灰は1989年にエイズによって38歳で亡くなった長年の恋人、ジャック・ドバシェール(Jacques de Bascher)氏の遺灰と一緒にするつもりだと公言。ドバシェール氏の伝記作家マリー・オッタビィ(Marie Ottavi)氏に対し、自分が死んだら再び一緒になれるように、ドバシェール氏の遺灰を半分持っていると明かしていた。

 ラガーフェルド氏は、当時19歳だったドバシェール氏と恋に落ちた。ドバシェール氏は、ラガーフェルド氏の親友で後にライバルとなったイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)氏と浮気するなど、パーティー好きの色男として悪名高かったが、ラガーフェルド氏はドバシェール氏の最期の時まで看病を続けた。(c)AFP/Nicolas PRATVIEL, Fiachra GIBBONS