【2月21日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は20日に行った年次教書演説で、同国が西側諸国の首都を標的とする新型ミサイルを配備する可能性があると警告した。軍事分野に関するプーチン氏の強い口調には、低下傾向にある自身の支持率を押し上げる狙いがある。

 米ロ双方が今月初め、冷戦(Cold War)期の1987年に締結された中距離核戦力(INF)全廃条約破棄を表明したことを受け、プーチン氏は米による欧州への新たなミサイル配備の動きをけん制し、いかなるミサイルでもロシア政府は「深刻な脅威」とみなすことになると警告した。

 プーチン氏は「われわれを脅かすミサイルシステムを支持する意思決定の中心地に対し、ロシアは使用の可能な兵器の配備を強いられることになる」と言明した。

 米ロはそれぞれがINF全廃条約の破棄を表明した際、新たな軍拡競争への懸念を示していた。

 同演説を受けて北大西洋条約機構(NATO)はこの脅威を「容認できない」と非難。ロシアにINF全廃条約を「再び順守する取り組みに集中する」よう求めた。

 軍事分野に関するプーチン氏の強い口調には、同氏に対する愛国的な支持を拡大させる狙いがありそうだ。プーチン氏は昨年の大統領選で、76%を超える得票率を獲得し再選を果たしたものの、最近の世論調査では支持率の低下に悩まされている。(c)AFP/Michael MAINVILLE and Maria PANINA