【2月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表は18日、F1産業にとって英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)は「最悪の混乱」だと主張し、同産業に甚大な影響を及ぼしかねないとの見解を示した。

 英中部のノーサンプトンシャー(Northamptonshire)に拠点を置くメルセデスのヴォルフ代表は、スペイン・モントメロ(Montmelo)で同日初日を迎えたプレシーズンの合同テストにおいて、「ブレグジットは、英国の居住者で海外で仕事をしているわれわれ全員にとって、大きな懸案事項となっている」と述べた。

 元レースドライバーでもあるヴォルフ代表は、「F1チームは、レースのために少なくとも年間21回は遠征する。われわれは英国の出入国を繰り返している」と付け加え、ブレグジットによって通関手続きの遅れが生じる可能性に言及。さらに、部品にかかる関税についても不安を口にした。

「パーツの調達や修理はぎりぎり間に合っている状態であり、関税は英国のF1産業に甚大な損害をもたらす可能性がある」

 メルセデスは「チームスタッフの国籍が合計26か国」に及んでいることから、ビザや労働権に関しても大きな問題となっており、ヴォルフ代表は「合意なき離脱であろうとブレグジット」であろうと、F1界に損害を与える可能性があることに疑いの余地はないと主張した。

「F1が政治レベルで行われる決断に大きく左右されることになると感じており、われわれの仲間や産業にとってはリスクになる」

 一方、英ミルトンキーンズ(Milton Keynes)に本拠地を置くレッドブル(Red Bull)のクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は、英国がどのような形でEUを離脱することになろうとも、「結局のところ人生は続いていく」と述べ、チームはどのような潜在的変化にも適応していけるだろうと強調した。

 45歳の英国人であるホーナー代表は、「合意があろうとなかろうと、結局のところ人生は続いていく。不安を招いている全ての不確定要素を回避するためには、素早く決断を下すことが重要だと思う」と述べた。(c)AFP