【2月15日 AFP】(更新)米商務省が17日までにホワイトハウス(White House)に提出する見通しの報告書で、自動車の輸入は米国の「安全保障上の脅威」だと結論付けたことが分かった。事情に詳しい自動車業界の情報筋が14日、明らかにした。米政府による自動車関税発動に道筋をつける内容だ。

 欧州の自動車業界筋によるとこの報告書は、昨年5月にドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の指示で始まった調査をまとめたもの。自動車の輸入が米国の国家安全保障を「損なう」かどうかが調査の核心で、結論はその疑問点を「肯定」しているという。

 別の自動車業界筋も、報告書について「自動車の輸入は国家安全保障上の脅威だと述べている」と語った。

 この報告書は、外国の自動車メーカーにとって重大なリスク要因とみられている。トランプ氏はかねて、欧州車が米自動車産業に損害を与えていると主張し、特にドイツを標的として25%の関税を課すとけん制してきた。

 トランプ氏は報告書の提出を受けてから90日以内に、関税を課すか否かを判断する。

 欧州委員会(European Commission)のジャンリュック・ドマルティ(Jean-Luc Demarty)通商総局長は、先月の欧州議会で、米自動車関税が発動した場合に欧州連合(EU)が報復関税を課す対象として、200億ユーロ(約2兆4900億円)相当の米国産品のリストを作成済みだと述べていた。

 コンサルティング会社ユーラシア・グループ(Eurasia Group)は今週、「ホワイトハウスは協議が行き詰まるか、EUと日本の提案が満足のいくものでなかった場合、検討中の関税を発動する意向だ」と指摘している。(c)AFP/Luc OLINGA