【2月11日 AFP】(更新)中国政府は11日、中国におけるトルコ系少数民族ウイグル人への処遇をトルコ政府が批判したことに反論するとともに、著名なウイグル人民謡歌手が拘束中に死亡したとするトルコの主張を否定した。

 中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は定例記者会見で、「中国はトルコに対して厳粛な申し入れを行った。同国の関係者は物事の正誤を見極め、間違いは正すよう期待する」と述べた。

 トルコ外務省は9日、中国当局によるトルコ系少数民族ウイグル人の大量拘束を強く非難。さらに、「歌の一つが原因で禁錮8年」を言い渡されたウイグル人の民謡歌手、アブドゥレヒム・ヘイット(Abdurehim Heyit)氏が収監中に死亡したと主張した。

 これに対して中国政府は10日、ヘイット氏を名乗る男性が自分はまだ生きていると話す映像を公開。

 華報道官は、トルコ外務省の声明は「卑劣」であり、ヘイット氏が死亡したとの主張は「ばかげたうそ」であると同時に「極めて不適切」だという見方を示し、「私はきのうオンライン上で映像を見たが、存命であるだけでなく、非常に健康そうだった」と述べた。

 トルコはウイグル人弾圧問題について、これまでは明らかに沈黙を貫いており、中国からの外交上あるいは経済的な報復を避ける意図があるとみられていた。ただ今回は、中国によるウイグル人の処遇は「人類にとって大きな恥だ」と糾弾し、イスラム教国から発せられた指摘としては恐らく最も厳しい非難となった。(c)AFP