【2月15日 Xinhua News】春節(旧正月)は帰省するものとされていたが、近年、この時期に海外へ行く中国人が増えており、世界の多くの場所で春節の雰囲気が感じられる。中国の旅行予約サイト、携程旅行網(シートリップ)などの予測によると、2019年の春節期間中、旅行に行く中国人は4億人、このうち海外へ行く人は約700万人に達するとみられている。目的地は、96の国・地域の900以上に及んでいる。中国人観光客は、海外旅行や海外での買い物の質と体験をより重視するようになりつつあり、多くの新トレンドが現れている。

 ▽海外消費-より理性的な「買い物」へ

 近年、中国人の旅行での消費習慣が変わりつつある。以前のように、ブランド品を盲目的に「爆買い」することは少なくなり、自分の実際のニーズや好みをより重視したり、現地ならではの商品を購入したりするようになっている。

 英国で観光業に長年従事しているチチカカトラベルの方剛(Fang Gang)社長によると、数年前、中国人観光客の多くはトップブランドにあこがれ、自身や知人への買い物のために旅行に来て、観光せず買い物だけする人もいたが、「2016年には週5日も実施していたアウトレットモールへの1日ツアーは、申し込みが減り、今はほとんどやっていない」という。

 ▽海外観光-よりセンスのある「観光」へ

 海外旅行はすでに多くの中国家庭のレジャーの重要な一部となっている。「食事・宿泊・移動・観光・買い物・レジャー」の6大要素のうち、中国人観光客が注目するポイントは、「買い物」から「観光」へと変わりつつあり、観光スポットの「制覇」から現地の歴史・文化の理解、風土体験や人とのふれあいへと変わってきている。「リアル・新しさ・深さの追求」が中国人の海外旅行の新たな特徴となっている。

 北京で働くベンチャーキャピタリストの何雯(He Wen)さんは、初めての米国旅行で、メトロポリタン美術館を見学し、その後ブロードウェーでミュージカル「シカゴ」を鑑賞した。何さんは、「このミュージカルは、米国のリアルな文化を描いていて、それにより現地の社会や文化をよりリアルに理解することができる」と話す。

 従来の団体ツアーではなく、カスタマイズやフリープランのツアーを選ぶ人も増えつつある。博物館・有名大学・ワイナリーの見学など、よりディープで個性的なテーマのツアーが人気となっている。「グルメ」「ハイキング」「健康・保養」「極地探検」などのツアーも中国人観光客に人気だ。

 ▽海外旅行-より「便利」に

 消費能力が上がり続けている中国人観光客は、春節期間中も世界へ「利益」を絶え間なく提供し続けている。商品からサービスまで、各国の政府や企業が中国人の旅行・レジャー・買い物の体験をより重視し、中国人観光客のためにより親切で細やかなサービスを提供するようになっている。

 タイ政府は、中国人観光客の春節旅行に便宜を図るため、アライバルビザの手数料を免除にする政策の期間を延長し、電子アライバルビザ発給システムを整備した。現在、タイの主な観光地と中国の各大都市は直行便で結ばれ、タイへの旅行はより便利になっている。

 さらに、世界の多くの有名観光地では、中国語の案内板や解説サービスが増設され、世界の人気観光地の企業が、中国人消費者が愛用する決済サービスの微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)や支付宝(アリペイ、Alipay)を導入している。(c)Xinhua News/AFPBB News