【2月11日 AFP】オーストラリア政府は11日、フランスの政府系造船企業ナバル・グループ(Naval Group、旧DCNS)との間で、豪海軍の次期潜水艦の建造に関する戦略的パートナーシップ協定(SPA)に署名した。最新鋭の潜水艦12隻を500億豪ドル(約3兆9000億円)で調達する。活動を活発化させる中国軍などの動向を念頭に、新型潜水艦で太平洋全域ににらみを利かせる構えだ。

 豪潜水艦の受注をめぐっては日本とドイツ、フランスが争ったが、豪政府は2016年4月、DCNSを主契約者に選んでいた。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)豪首相は首都キャンベラで行われた署名式で、次期潜水艦の調達は「平時のものとしてはオーストラリア史上最大の防衛投資」の一環で行う「非常に大胆な」事業だと胸を張った。

 SPAでは、ナバル・グループのバラクーダ(Barracuda)級原子力潜水艦を基に、通常動力の攻撃型潜水艦12隻を豪南部に新設する造船所で建造する計画。

 最初の潜水艦が完成するのは2030年代初めの見通し。ただ、豪北方や東方の海域では米国や中国などが激しい勢力争いを繰り広げているだけに、それでは遅すぎるとの批判もある。(c)AFP