【2月9日 AFP】米アマゾン・ドットコム（Amazon.com）が第2本社を米ニューヨークに設立する計画を見直していると、米紙ワシントン・ポスト（Washington Post）が8日に報じた。本社建設については一部の政治家らが異議を唱え、地域住民が抗議デモを行うなど反発を呼んでいる。

　アマゾン創業者のジェフ・ベゾス（Jeff Bezos）最高経営責任者（CEO）が所有するワシントン・ポストは、匿名の関係筋2人の情報として報じた。

　アマゾンは第2本社をニューヨークと首都ワシントン郊外の2か所に建設すると発表していたが、ニューヨークでの建設について当局の監査委員会に反対派が任命され、計画が否認される可能性が生じている。昨年発表された第2本社の建設計画は、アンドルー・クオモ（Andrew Cuomo）ニューヨーク州知事やビル・デブラシオ（Bill de Blasio）ニューヨーク市長が支持した一方、住民らによる抗議デモが発表から数週間にわたって続いた。

　アマゾンは2万5000人の雇用創出を予定しているが、反対派は、それによって、住宅市場の高騰に拍車がかかり、インフラに負担が生じるとの懸念を表明。世界一の富豪とされるベゾス氏が率いる世界最大規模のアマゾンに、自治体から多額の助成金が給付されることも問題視している。反対派には、複数の自治体職員のほか、昨年の中間選挙でニューヨーク州から選出され、選挙区が本社建設予定地と隣接するアレクサンドリア・オカシオコルテス（Alexandria Ocasio-Cortez）下院議員も加わっている。

　一方で、複数の統計では地元住民らが本社建設を支持していることが明らかになっている。

　アマゾンはAFPに対し、計画見直しの報道に直接言及はしなかったものの、本社建設地の住民らとの関係構築に努めていると述べた。(c)AFP