■不平等な存在

 スカラフィア氏は、「大勢がバチカンに訴えているが、調査はされていない」と指摘する。「調査委員会が設置され、この問題を専門とする修道女も調査に加わることを期待している」

 スカラフィア氏によると、聖職者による修道女の虐待は世界的な問題となっているが、特にアフリカ、アジア、中南米でまん延しているという。

 聖職者は、修道女の務めや給与などすべてを管理しており、これは権力乱用の問題だという。「教会内における修道女の従属的な地位に根差した問題で、解決は非常に難しい。修道女は平等な存在だとは認められていない」とスカラフィア氏は述べた。

 スカラフィア氏は、法王が問題を認めたこと自体は「教会のイメージにとってさらなる打撃となるが、変化が起きていることを示す絶好のチャンスでもある」と指摘する。さらに問題解決の鍵は、「聖職者が権力者のように振る舞うのをやめさせることだ。そのような振る舞いがこの問題を引き起こしているのだから」と語った。

 スカラフィア氏は、虐待の訴えを教会内部で調査し、加害者の聖職者を暴くには「激しい抵抗」があることを認めている。だが、聖職者による児童に対する性的虐待問題への取り組みも当初は及び腰だったが、そのような態度は変わったとも指摘した。(c)AFP/Ella IDE