【2月7日 AFP】アルゼンチンのパタゴニア(Patagonia)で、1億4000万年前に生息していた、背中にとげが並んだ新種の草食恐竜の骨格が見つかった。英科学誌ネイチャー(Nature)で発表された。

 Bajadasaurus pronuspinaxと名付けられたこの恐竜は、ディクラエオサウルス科(dicraeosauridae)に属し、背中のとげで捕食者を追い払っていたという。

 とげの並んだ首の部分を復元した模型が、ブエノスアイレスの科学館に展示されている。

 アルゼンチン科学技術研究委員会(CONICET)とマイモニデス大学(Maimonides University)で研究助手を務めるパブロ・ガリーナ(Pablo Gallina)氏は、「首と背中には、非常に長くて細い、鋭いとげがあったと考えている」と述べ、「とげは、骨がむき出しになっていたか、皮膚で覆われているだけだったとみられる。このため、他の動物から攻撃されれば一撃で砕けてしまったと思われる」と続けた。

 Bajadasaurusは四足歩行で、南米大陸に生息していた。広くは、三畳紀後期から白亜紀後期(約2億3000万年前~7000万年前)に生息していた竜脚下目に属する。骨格はブエノスアイレスから南に約1800キロ離れたネウケン(Neuquen)州で発見された。

 この辺りは、1993年に発見された、知られている肉食恐竜で最も大きいギガノトサウルス(Giganotosaurus carolinii)が生息していた地域でもある。ギガノトサウルスは白亜紀後期に生息していたと考えられており、Bajadasaurusを捕食していた可能性がある。

 CONICETは、Bajadasaurusのとげは体温を調整したり、異性を引き付けるために使われた可能性があると説明している。また、とげの間には肉質のこぶがあった可能性があり、ラクダのこぶと似た役割を果たしていたという。

 CONICETは、「研究によると、この恐竜は主に地上に生えた草を食べて暮らしていた。目は顔の上の方についており、周囲で起こっていることをよく見渡せた」と説明している。

 映像は、ブエノスアイレスの科学館に展示された復元模型。4日撮影。(c)AFP