【2月7日 AFP】フランス・リーグ1のナント(FC Nantes)が、アルゼンチン出身FWエミリアーノ・サラ(Emiliano Sala)選手の移籍金支払いについて保証を得るために、イングランド・プレミアリーグのカーディフ・シティ(Cardiff City)に対して法的措置を検討すべく、弁護士に相談を行った。ナントのクラブ関係筋が6日、明らかにした。

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 先月28日にカーディフへ移籍するために小型飛行機でイギリス海峡(English Channel)を渡っていた際、チャネル諸島(Channel Islands)付近で行方が分からなくなったサラ選手(28)は、クラブ史上最高額に上る3年半の契約を交わしていた。

 両クラブは移籍金の支払い方法について、大型契約では通常通りの3回の分割払いにすることで合意していた。金額の半分については、2015年に同選手をナントへ売り渡した元所属クラブのボルドー(FC Girondins de Bordeaux)が受け取ることになっている。

 ナントの関係者によると、サラ選手の移籍は事故前に正式に成立していたにもかかわらず、移籍金1700万ユーロ(約21億円)の1回目の支払いがまだ行われていないという。クラブはさらに、この問題に関して国際サッカー連盟(FIFA)に訴えることも検討しているとされているが、AFPの取材に対して現時点でコメントは出していない。

 英BBCウェールズ支局の報道では、最初の支払い額500万~600万ユーロ(約6億2000万円~約7億5000万円)に関して、ナントが10日間を期限とした最後通告を出していると伝えられた。

 カーディフの関係者は英メディアに対し、契約については尊重する意向であるものの、それは「すべての事実」が判明してからの話であるとコメント。悲劇が起きたばかりのタイミングで支払いを要求されたことに驚いているとも伝えられた。

 両クラブの関係が大きな緊張感に包まれている中、仏地元紙ウエスト・フランス(Ouest-France)はナント関係者の話として、カーディフの態度が「偽善的」であり、「時間稼ぎをしたいだけ」と批判していると報じた。

 59歳の操縦士デビッド・イボットソン(David Ibbotson)さんも乗っていた不明機は、サラ選手の家族が独自に依頼した捜索隊によって今月3日に一部が発見された。英航空事故調査委員会(AAIB)はこの日、海底で見つかった機体の残骸から、遺体を収容したと明らかにした。(c)AFP