【2月6日 AFP】第53回スーパーボウル(Super Bowl LIII)で、ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)のWRジュリアン・エデルマン(Julian Edelman)が勝利の立役者となったことによって、米ナショナルフットボール(NFL)の反ドーピング規則に焦点が当てられている。

 米アトランタ(Atlanta)のメルセデス・ベンツ・スタジアム(Mercedes-Benz Stadium)で3日に行われたNFLの頂上決戦では、ペイトリオッツがロサンゼルス・ラムズ(Los Angeles Rams)に13-3で勝利した。エデルマンはこの試合で何度もキャッチに成功してチームの勝利を引き寄せ、スーパーボウルMVPに選出された。

 しかし一部の専門家からは、エデルマンがフィールドに立つことすらも疑問視する声が上がっていた。同選手は薬物検査で違反が発覚して今季は開幕から4試合の出場停止処分を受けており、その問題に関してはいくつか疑問が残っている。

 NFLは世界反ドーピング機関(WADA)に加盟しておらず、ドーピングに関しては独自の規則を設けている。WADAの規定ではドーピング違反者は初犯で4年間の出場停止処分に直面する可能性があるのに対し、エデルマンは今季4試合を欠場しただけで、その後は無罪放免となっていた。

 エデルマンの処遇に関して、米紙USAトゥデー(USA Today)のコラムニストは、人種差別に抗議してリーグから追放状態となったコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)と比較する記事を書いており、「NFLにはゆがんだ優先事項がある」「人種差別を呼び掛けると、キャリアは実質的に絶たれてしまう。だが運動能力向上薬に陽性反応を示しても、スーパーボウルでMVPに選出されることは可能だ」と指摘した。

 さらに、薬物違反者に対するNFLの処分内容に関して、同国大リーグ(MLB)との違いを指摘する声も上がっている。NFLと同様にWADAに加盟していないMLBでは、過去20年にわたりドーピングスキャンダルが相次いだことから、薬物違反を厳しく取り締まる姿勢を示している。

 薬物検査で陽性反応を示したMLBの選手は、数試合の出場停止処分を科されるほか、その年のポストシーズンでプレーする資格を剥奪されるため、ワールドシリーズでMVPに選出される道を断たれる。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)では、MLBとNFLの薬物違反を比較した上で、「NFLでは薬物使用を違反とすら考えていない」という厳しい意見が書かれていた。