【2月4日 AFP】3日に米アトランタ(Atlanta)のメルセデス・ベンツ・スタジアム(Mercedes-Benz Stadium)で行われた第53回スーパーボウル(Super Bowl LIII)では、トム・ブレイディ(Tom Brady)を擁するニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)が13-3でロサンゼルス・ラムズ(Los Angeles Rams)を下し、歴代最多タイとなる6度目の優勝を飾った一方、この試合ではラムズの男性チアリーダー2人が新たに歴史をつくった。

 歴史に名を刻んだのは、NFL史上初のダンススタイルのチアリーダーであるクイントン・ペロン(Quinton Peron)さんとナポレオン・ジニーズ(Napoleon Jinnies)さん。そしてこの日、男性のチアリーダーとしては初めてスーパーボウルでパフォーマンスを披露した。

 NFLのチアリーディングは女性の活躍の場としてあるべきだと考える一部のファンからは否定的な意見も受けているが、自身の家族や大多数のファン、そしてチアリーダー仲間の協力によって難しい時期も乗り越えてきたとペロンさんは言う。

 現在26歳のペロンさんは米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に対し「いろいろなことがあったが、自分たちの後ろには支えてくれる人がいるのは分かっていたから、ここまでやってこられた」「自分たちの家族やチアリーダーの仲間が支えてきてくれたし、LAの街にも助けられてきた」と話した。

 ペロンさんがチアリーダーになったのは、米プロバスケットボール(NBA)のロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の試合を観戦したことがきっかけだという。ラムズは当初、今季から男性をチアリーダーチームに入れる計画は持っていなかったが、ペロンさんはトライアウトを受けることを決意したという。

 プロのダンサーで振付師でもあるペロンさんは、試合中に観客を魅了するレイカーズのチアリーダーチームを見た時のことについて「レイカー・ガールズ(Laker Girls、レイカーズの女性チアリーダーチーム)を見ていた時に『自分にできない理由はないんじゃないか?』と思ったんだ」と話した。

 一方、同じくプロのダンサーでメーキャップアーティストとしても活躍するジニーズさんも、ダンサー仲間と話している時に同様の考えを思いついたと言い、「適当にみんなとオーディションについて話した時に『行ってみようかな』と思ったんだ」と明かした。(c)AFP