【1月30日 AFP】欧州連合(EU)指導部は30日、英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)協定案の内容変更に関しテリーザ・メイ(Theresa May)英首相と再交渉する可能性を否定し、EUは譲歩しないと警告した。

 英議会は先にメイ首相がEUとまとめた離脱協定案を否決。議会が分裂する中、議員らは29日、アイルランドとの間での厳格な国境管理を避けるためのいわゆる「バックストップ」条項に関し、メイ首相がEUに削除を求める動議の採決を行い、動議を可決していた。

 しかしミシェル・バルニエ(Michel Barnier)首席交渉官を含むブリュッセルのEU高官らは、国境の治安維持に不可欠とみなしているバックストップ条項について、残るEU加盟27か国が結束し断固として条項を削除しないと強調した。

 ジャンクロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)欧州委員長は欧州議会で、離脱協定案に再交渉の余地はないとの意向を強く示した。ユンケル氏は英議会の採決について「無秩序な離脱」や、北アイルランドが「暗い過去に戻る」可能性を高めただけだと警告した。

 ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の報道官も交渉再開は「議題にない」と明言。フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領とオーストリアのセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相もこれに先立ち、同様の警告を発していた。(c)AFP/Dave Clark, with Alice Ritchie in London