【1月30日 AFP】ベネズエラの最高裁判所は29日、暫定大統領就任を宣言した野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長(35)の出国禁止と銀行口座の凍結を認めた。

 ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は米国の支援を受けるグアイド氏の勢力を阻止するため圧力をかけている。タレク・ウィリアム・サーブ(Tarek William Saab)検事総長は同日、最高裁に対し、グアイド氏の出国および資産移動の禁止と銀行口座の凍結を認めるよう求めていた。最高裁はマドゥロ氏の支持者で固められている。

 最高裁の決定に先立ち、米国務省はグアイド氏に米国の銀行にあるベネズエラの口座の管理権を付与したことを明らかにした。マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官が先週管理権付与を承認した後、米政府は28日、国営ベネズエラ石油(PDVSA)を経済制裁の対象に指定した。PDVSAは資金不足にあえぐベネズエラ政府の主な歳入源となっている。

 米国務省のロバート・パラディーノ(Robert Palladino)副報道官は、グアイド氏への口座管理権付与は、「ベネズエラの正統な政府がベネズエラ国民のためにこれらの資産を保護する上で有益な措置だ」とする声明を発表した。

 マドゥロ氏がグアイド氏の躍進を阻止するための措置を取っていることについて、グアイド氏は「今に始まったことではない」と受け流した。国会に到着したグアイド氏は記者団に対し、「現時点で脅迫や迫害の恐れがないとは思わないが、われわれは仕事を続けるためにここにいる」と話した。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ