【2月1日 東方新報】中国の出前サービスアプリで知られる美団(Meituan)の創業者、王慧文(Wang Huiwen)高級副総裁は、傘下に収めていたシェア自転車大手の摩拝単車(モバイク、Mobike)を全面的に美団に吸収し、またブランド名も「美団単車」に近く変更することを明らかにした。このほど発表した社内文書で明らかにした。

 昨年の買収劇から10か月の間で「美団」化へと進んで行ったモバイク。ついにブランド名も消滅することになった。

 昨年10月末の上場を機に、情報位置サービスプラット(LBS)フォームの構築を宣言していた美団。このプラットフォームにはネット配車、大型バス、無人配送などの部門を含んでおり、今回の王高級副総裁の宣言は、モバイクが美団の「LBSプラットフォーム」自転車事業部に事業を承継し、王氏本人も同事業部のトップを兼任するというものだった。

 モバイクは今後、美団のアプリのみで利用が可能で、これまでのモバイクユーザーにとって、もともとの利用習慣を変えざるを得ない。

■巨額な借り入れが状況をより苦しい立場に

 モバイクは、2015年1月創業。翌年から上海市で本格的なシェア自転車サービスを開始した。サービスは海外19か国まで展開し、ユーザーが利用した走行総距離はのべ182億キロメートルとまで言われる。以後3年以上もの間、モバイクは少なくとも7回の借り入れを行っている。特に17年に2億1500万ドル(約234億円)、その5か月後には6億ドル(約655億円)超を借り入れ、シェア自転車業界で1社の借り入れ額としては過去最高額を記録している。

 このようなやり方で、急速に市場を占有したモバイクだったが、シェア自転車の膨大な維持管理費を資本金の追加のみに頼らざるを得ない延命的な運営を続けていた。「ユニコーン企業」と称されたシェア自転車企業はその実、「張り子の虎」であり、華やかな繁栄の裏には暗い危険が潜んでいたのだ。