【1月29日 AFP】仏リヨン(Lyon)で28日、世界中から集まった優秀な若手パティシエたちが腕を競う「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー(Coupe du Monde de la Pâtisserie)」の決勝大会が行われた。今年は、スイーツの本場として長い歴史を誇る同国ではこれまで考えられなかったような課題も出された。動物性原料を一切使用しないビーガン(完全菜食主義者)向けのスイーツの製作だ。

 2年ごとに同市で開催されるシラ国際外食産業見本市(SIRHA)で行われた同大会の決勝には、世界21か国の代表が参加した。

 出場者らには10時間の持ち時間が与えられ、チョコレートと蜂蜜をベースにしたデザート、果物を原料とするフローズンデザート、そしてバターや生クリーム、卵などの動物性原料を一切使用していないデザートの製作が課題として与えられた。

 だが、ビーガン向けデザートという発想は、万人から受け入れられたわけではない。

 2005年の同大会で優勝したパティシエのフィリップ・リゴロ(Philippe Rigollot)氏は、「バターと生クリームは、食事の楽しみを100パーセントに高めてくれる。どう説明したらいいかわからないが、脂肪は気力を高めるのに役立つ」と話す。

 また、ビーガン向けデザートは、甘さを和らげる動物性脂肪を使用しないため、甘くなりすぎることが多いとの批判もある。

 こうした課題に果敢に挑戦したマレーシア代表は、エルビス・プレスリー(Elvis Presley)の風貌をまねたサルを細かく表現したあめ細工などを製作して優勝。2位は、女性パティシエが参加した数少ないチームの一つである日本代表、3位はイタリア代表だった。(c)AFP/Sandra LAFFONT