【1月28日 AFP】ロシア当局は28日、大勢の来場者でにぎわう首都モスクワの美術館から19世紀の有名画家の作品を白昼堂々盗んだとして、31歳の男を逮捕したと発表した。

 被害を受けたトレチャコフ(Tretyakovka)美術館によると、事件は27日、開館中の午後6時(日本時間28日午前0時)ごろ発生。

 国営テレビが放送した映像には、男が美術館の壁に掛けられているロシアの風景画家アルヒープ・クインジ(Arkhip Kuindzhi)の作品を落ち着いた様子で外し、多数の来場者がいる一室を通って絵を持ち去る様子が捉えられている。

 同美術館はウェブサイト上で1910年に死去したクインジについて、「19世紀後半のロシア絵画を代表する画家の一人」と解説。1898~1908年の間に完成したとされるこの作品には、クリミア(Crimea)半島の山が描かれている。

 ロシア内務省は、男はモスクワ郊外の村で身柄を拘束されたと明かした。

 また、警察の発表によると、盗まれた絵は男が隠したと供述した工事現場から回収された。共犯者がいないかどうか、捜査を進めているという。

 映像後半は、身柄を拘束された男。撮影日は不明。(c)AFP