【1月29日 AFP】第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)は28日、準決勝が行われ、日本は優勝候補の一角であるイランを3-0で下し、5度目の優勝に王手をかけた。相手DFの混乱と議論を呼ぶPKに乗じて勝利した日本は来月1日、開催国アラブ首長国連邦(UAE)とカタールの勝者と決勝で対戦する。

 日本は後半、イラン守備陣が審判に抗議しようとプレーを止めた間に大迫勇也(Yuya Osako)がゴールを決め先制に成功。その後、モルテザ・プーラリガンジ(Morteza Pouraliganji)の意図せぬハンドを検証した結果、日本にPKが与えられ、大迫がこれを決めた。

 後半アディショナルタイムには原口元気(Genki Haraguchi)が追加点を挙げ、日本は準決勝まで12ゴール無失点で勝ち上がってきたイランから予想外の完勝を収めた。

 イランを約8年間率い、チームをW杯(World Cup)に2度導いたカルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)監督は退任することになっており、今大会が最後の挑戦となっている。

 ケイロス監督は、イランの選手が主審を取り囲む中でプレーを続けた日本に先制点を奪われたシーンについて「意図せぬミス」により「(選手たちは)精神的にやられてしまった」と振り返っている。

 ケイロス監督は、ペナルティーエリアの端で南野拓実(Takumi Minamino)が倒れた場面について言及しつつ、「選手たちが動きを止め、あのプレーに対して審判が笛を鳴らすだろうと誰もが期待していた」と述べた。

「あの瞬間でチームの心は折られた。あの場面以降は、ピッチ上には1チームしかいなくなった」

 一方、日本の森保一(Hajime Moriyasu)監督は、「選手たちは良い準備を行い、素晴らしい闘志を示した。挑戦者としてこの試合に臨んだ」とコメントした。「選手たちが精神力と闘志をみせ、ファンに勝利を届けてくれうれしい」 (c)AFP/Talek HARRIS