【1月28日 AFP】第17回アジアカップ(2019 AFC Asian Cup)準決勝の日本戦を前にした記者会見で、イランのカルロス・ケイロス(Carlos Queiroz)監督が会見を行っている途中にスピーカーから場内放送が繰り返し響き、ケイロス監督がしゃべりだせないという一幕があった。その中で監督は、日本戦では自分を表現してほしいと選手たちに奮起を促している。

 28日の準決勝について、アルアイン(Al Ain)のハッザーア・ビン・ザイード・スタジアム(Hazza Bin Zayed Stadium)で会見を行っていたケイロス監督は、スピーカーから5回目の邪魔が入ると、「黙ってくれ!」と言って苦笑した。

 65歳の指揮官を悩ませているのはスタジアム設備だけではない。過去にアジアカップを3回制してはいるものの、1976年を最後に43年間優勝から遠ざかっているイランは、選手の負傷トラブルを抱えており、またイラン政府による介入があったとしてアジア・サッカー連盟(AFC)から警告を受けている。

 その中で、ケイロス監督はイランが優勝候補だという説を否定し、さらには「見事なサッカーをしている」と日本を称賛までしているが、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やレアル・マドリード(Real Madrid)、ポルトガル代表などでの指導経験もある名将は、手ぐすね引いて待っているに違いない。

 FIFAランキングでアジア最高位のイランは、ここまで大会を通じて無失点。攻撃では12ゴールを挙げ、準々決勝でもマルチェロ・リッピ(Marcello Lippi)監督率いる中国から3-0の完勝を収めている。対して日本は、ここまで5試合すべてが1点差の勝利となっている。

 準決勝のもう1試合では、開催国のアラブ首長国連邦(UAE)とカタールが29日にアブダビで対戦する。(c)AFP