【1月27日 AFP】ブラジル南東部で25日にダムが決壊し、川沿いの町が泥流にのみ込まれた事故で、26日までに34人の死亡が確認された。現在も鉱山作業員ら300人近くが行方不明になっており、生存者発見の希望は失われてきている。

 ダム決壊はミナスジェライス(Minas Gerais)州ベロオリゾンテ(Belo Horizonte)近郊の資源開発大手バーレ(Vale)所有の鉱山で発生。数百万トンにおよぶ泥流が鉱山施設をのみ込んで近くの町ブルマジニョ(Brumadinho)付近の農地に向かい流れ出た。管理施設内で昼食を取っていた鉱山作業員らは、突然流れてきた大量の鉄鉱採掘廃棄物の泥流にのみ込まれた。

 最新の集計によると、バーレの名簿に記載された鉱山作業員ほぼ全員の300人近くが現在も行方不明となっている。これまでに170人以上の生存者が救出されており、うち負傷者23人が入院した。

 建物や車両、道路が深い泥に埋まったため、26日の救助活動には数十機のヘリコプターが使われた。軟らかく滑りやすい泥が危険なため、災害ボランティア希望者には活動自粛が要請された。メディアは、救難ヘリとの衝突を防ぐためドローンを飛ばさないよう強く呼びかけた。

 バーレでは以前にも大事故が発生しており、今回の事故は同州内で過去3年間に2回目。決壊したダムは42年前に建設された高さ86メートルのもので、現在は閉鎖に向けた準備が行われていた。バーレはこのダムが最近構造安全検査に合格したとしている。(c)AFP/Pascale Trouillaud and Johannes Myburgh