【1月26日 AFP】中国の地方都市で昨年、退役軍人による抗議活動を組織したとして、中国当局は25日、19人の逮捕を命じた。国営メディアが報じた。

 国営新華社(Xinhua)通信が検察当局の話として報じたところによると、19人には、昨年10月に同国東部の山東(Shandong)省平度(Pingdu)で「社会秩序を乱すために群衆を集めた」疑い、もしくは昨年6月に江蘇(Jiangsu)省鎮江(Zhenjiang)で「故意に暴行」を働いた疑いが持たれているという。

 新華社は、鎮江の抗議活動のまとめ役とされる9人が、市庁舎前で違法に1000人超の人々を集め、「警察や警備員と暴力的な衝突を繰り広げた」と伝えている。

 鎮江での抗議行動について目撃者はAFPに対し、年金の改善を求める高齢の退役軍人が殴打されたとの話を受けて行われたものだと語っていた。

 また平度では10人が退役軍人の抗議活動を組織化したとし、新華社は抗議活動で、警察が襲撃され、車が破壊され、政府の活動が妨害されたと報じていた。

 同国では、一般市民による異議申し立てに対して当局が容赦することはほとんどない。だが人民解放軍とその退役軍人は英雄として尊敬を受けているため、鎮江で行われた抗議活動は、警察が介入するまで数日にわたって継続された。

 共産党指導部にとって頭痛の種となっている一連のデモは、世界最大の常備軍である中国人民解放軍(People's Liberation Army)の退役軍人らが、給付の改善に向けて長年にわたり苦闘している事実を浮き彫りにした。(c)AFP