【1月26日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は25日、政府機関閉鎖の一時解除で野党・民主党と合意に至ったと発表した。米国では対メキシコ国境の壁建設費をめぐる与野党の対立により、政府機関の一部閉鎖が史上最長の期間にわたり続いていた。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)のローズガーデン(Rose Garden)で行った発表で、2月15日までの3週間にわたり政府機関を再開するつなぎ予算案に署名すると表明。同時に自身の壁建設計画を擁護したが、自身が要求してきた57億ドル(約6200億円)の建設予算については発言を避けた。

 自身肝いりのプロジェクトである壁建設の予算が承認されないまま政府再開に同意したことはトランプ氏にとって譲歩となるが、同氏は「強力な壁か鋼鉄の障害物を建設する以外の選択肢は一切ない」と強調。今後3週間で大きな進展がなければ再び対立姿勢を強め、新たな政府機関閉鎖を起こすか、大統領権限により非常事態を宣言すると警告した。

 トランプ氏の譲歩により、これまで5週間にわたり米連邦政府機関をまひさせ、航空交通の混乱、職員80万人余りの無給状態を引き起こした政治闘争は一時中断する。

 トランプ氏は先月、対メキシコ国境地帯で壁を増設するための予算を民主党議員らに拒否されたことを受け、同党に圧力をかけるための方策として政府閉鎖を誘発させた。しかし民主党は、混乱の発生によって有権者の非難がトランプ氏に向くことを見越し、拒否を貫いた。世論調査の結果は、同党の読みが正しかったことを示している。

 トランプ大統領が2月15日までのつなぎ予算案に署名すると表明したことを受けて、米議会上下両院は25日、同予算案を全会一致で可決した。ホワイトハウス(White House)はトランプ大統領が同予算案に署名し、つなぎ予算は成立したと確認した。このつなぎ予算にはトランプ大統領が求めている壁建設予算は盛り込まれていないが、議会とホワイトハウスは国境警備問題について協議する3週間の時間を与えられることになる。(c)AFP