【1月25日 AFP】南米ベネズエラで、野党指導者のフアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長(35)が「暫定大統領」就任を宣言したことを受けて、同国の軍最高司令部は24日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領(56)への支持を表明した。グアイド氏は米国や中南米の主要同盟国からの支持を得ているが、中国とロシアはマドゥロ氏支持を表明した。

 国防相で軍司令官のブラディミル・パドリノ(Vladimir Padrino)氏は、国営テレビが放送した会見で、グアイド氏が「クーデター」を図ったと非難し、マドゥロ氏が「正統な大統領」だと断言。さらに司令官8人もマドゥロ氏への忠誠を誓った。

 一方、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は米首都ワシントンで開かれた米州機構(OAS)の会議で、マドゥロ政権に対し抗議デモ参加者に武力を行使しないよう警告。「議論の時間は終わった。ニコラス・マドゥロ前大統領の政権は正統ではない」と述べた。

 23日に自身を「暫定大統領」と宣言し、マドゥロ氏の権威に直接挑んだグアイド氏については、米国に加え、ブラジル、アルゼンチン、コロンビアなど中南米十数か国が直ちに支持を表明。いずれも左派勢力が政権を握るメキシコとキューバ、ボリビアの政府はマドゥロ氏支持を表明した。

 中南米以外の国では、いずれもベネズエラの同盟国であるロシアと中国がマドゥロ氏を、フランスとカナダがグアイド氏をそれぞれ支持している。ロシアはグアイド氏が権力の「強奪」を試みていると非難し、「無法かつ流血の事態に直接つながる」と警告。マドゥロ政権の主要財政支援国である中国は、ベネズエラ内政への「干渉」に反対すると表明した。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ