■「犠牲者ではなく生き残り」

 ベネズエラ最悪とされた自然災害を生き延びた経験を持つグアイド氏は、「私は犠牲者ではなく、生き残りだ」と言う。

 1999年12月に数万人が亡くなった集中豪雨と土砂災害。当時10代だったグアイド氏は、母親と5人のきょうだいと共に被災地のバルガス(Vargas)州に住んでいた。この被災について 「飢えとは何か、私は知っている」と語っている。

 グアイド氏は2009年、創設メンバーの一人として大衆意思党(VP)に加わり、今では党の顔となっている。同党は、前党首のレオポルド・ロペス(Leopoldo Lopez)氏が、2014年に反マドゥロデモを主導したとして、現在自宅軟禁下にある。また、ロペス氏の後継者とされたフレディ・ゲバラ(Freddy Guevara)氏は、2017年に暴力的な抗議行動を扇動した罪に問われ、チリへ亡命した。

 グアイド氏は13日、政治集会に車で向かう途中で諜報(ちょうほう)機関に一時拘束されたが、1時間もたたないうちに釈放された。政府は後に一部の諜報要員の勝手な行動だとして非難し、12人を逮捕した。

 だが、グアイド氏は警戒を緩めることはできない。イリス・バレラ(Iris Varela)刑務所相はこう言っている。「グアイド氏を入れる独房は、すでに確保してある」 (c)AFP/ Esteban ROJAS