【1月23日 AFP】米ニューヨークのハドソン川(Hudson River)の川岸で昨年10月、粘着テープでくくられたサウジアラビア人の姉妹2人の遺体が見つかった事件で、同市の検視局は22日、姉妹は心中を図ったとの見解を示した。

 ロタナ・ファリア(Rotana Farea)さん(22)と妹のタラ(Tala Farea)さん(16)の遺体は昨年10月下旬に見つかった。2人は毛皮の襟飾りの付いたコートなど全身黒ずくめの格好で、目立った外傷はなく、足首と腰のところでダクトテープ(強力な粘着テープ)でくくられていた。

 2人はテープで自分たちを結び付けてから、川に入ったと検視局はみている。また死後、姉妹が難民認定申請を行っていたことが警察当局者によって確認された。

 在米サウジアラビア大使館の報道官はツイッター(Twitter)に「(姉妹が)難民認定申請を行ったことを理由に、われわれがこのサウジ人姉妹の全関係者に米国からの退去を命じたとする報道は、真っ赤な嘘だ」と投稿した。

 姉妹は米バージニア州で家族と共に暮らしていたが、複数回にわたって逃走を図り、2017年末にとうとう家を出た。

 米メディアがニューヨーク市警(NYPD)報道官の話として報じたところによると、姉妹は州内の保護施設に滞在していたが昨年8月、バージニア州を出てニューヨークに向かった。同地では高級ホテルを転々とし、クレジットカードを限度額まで使い切った。10月24日朝にはハドソン川近くの遊び場で姿を目撃されており、祈っているように見えたという。

 警察によると、姉妹はサウジアラビアに帰るくらいなら自殺した方がましだとほのめかしていたという。(c)AFP