【1月23日 AFP】世界反ドーピング機関(WADA)は22日、ロシアがモスクワの研究所のデータを期限内に引き渡さなかったことに対して、追加の処分は科さないと発表した。

 WADAは22日に理事会を開き、今後も監視は続けるものの、新たな措置は取らないことに決めた。クレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長が「何人かの役員から、期限に遅れたことへ失望の声は上がったが、この件に関する制裁は科すべきでないということで意見が一致した」とコメントした。

 WADAは昨年9月、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)に対する資格停止処分を条件付きで解除したが、その条件の一つが、ロシアの国家ぐるみのドーピングの中心だったモスクワの研究所から、2018年末までに検体のデータを引き上げることだった。

 ところが同12月に現地を訪れたWADAのチームは、持ち込んだ機器が法律に抵触するとロシア当局に抵抗され、データを入手できなかった。その後、回収作業は今月に入って完了している。(c)AFP