【1月23日 AFP】スイスのダボスで22日に開幕した世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)。出席者のエリートたちは気候変動についてかつてないほど懸念していると言うが、自分の行動に関しては相変わらず快適さが勝るようだ。今年のダボス会議に出るために使われるプライベートジェット機の便数は、過去最多に膨らむ見通しとなっている。

 航空機は、二酸化炭素の排出量が桁外れに大きい乗り物だ。一方、先週公表されたダボス会議関係者を対象とした調査では、世界経済にとって気候変動が最大のリスク要因に挙げられている。

 ところが、プライベートチャーター機の手配を手掛ける企業エア・チャーター・サービス(ACS)によると、ダボス会議が開かれる1週間に、スイスのアルプス山脈の麓にあるダボスに近い空港には、プライベート機1500便近くが到着すると見込まれている。この通りなら昨年の約1300便を上回り、これまでで最も多くなる。手配数は約2000便に達するとの予想もある。

 ACSでプライベート機を担当するアンディ・クリスティー(Andy Christie)氏は、ダボス会議期間中のプライベート機の需要は、同じくかき入れ時の米ナショナルフットボール(NFL)のスーパーボウル(Super Bowl)やサッカーのチャンピオンズリーグ(Champions' League)決勝などの時期と比べても、はるかに大きいと指摘する。

 出席者の大半は、チューリヒ(Zurich)などの空港に到着後、車や列車で2~3時かけてダボス入りするが、ごく一部の企業経営者や政治家は移動時間を短縮するためヘリコプターも使っている。

 WEFの主催者は、ダボス会議を環境面で持続可能なものにすることに取り組んでいると強調。プライベート機による二酸化炭素排出量については、会議でのイニシアチブによってできる限り相殺しようと努めているとしている。(c)AFP/Jitendra JOSHI